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【実例あり】グランドピアノを置けるお洒落な間取りおすすめ8選を解説

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建築士、宅建士(宅地建物取引主任者)、インテリアコーディネーターの資格保有者がライターとして執筆。一部の記事は一級建築士またはファイナンシャルプランナー(FP)による監修を経ており、正確な情報発信を徹底しています。子育て世帯のママやパパの住まい選び、お家づくりの参考になる記事を日々制作中。

石橋優介(管理建築士/一級建築士 第355453号)

専門分野:住宅設計、店舗設計、子ども施設設計、デザイン全般
1984 広島生まれ
2009 広島大学大学院社会環境システム専攻 修士課程修了(建築意匠学研究室)
2009-2012 株式会社plus’d,architect 一級建築士事務所
2012-2015 株式会社鳳建築設計事務所
2015-2019 株式会社あい設計
2019~   石橋優介建築設計事務所
石橋優介建築設計事務所
監修 2025年1月20日

音楽好きの方にとって、グランドピアノのある家は憧れですね。圧倒的な存在感と美しい音色を毎日楽しめるとなれば、日々の充実感もより高まります。一方で、サイズが大きいグランドピアノを設置するためには、間取りの工夫が不可欠ですが、グランドピアノの設置位置や家全体の間取りのまとまりをどうするかは悩ましい問題です。

今回は、グランドピアノを置く前提での間取りをテーマに、必要なサイズや適した設置場所、設置にあたって対策すべきポイントについて解説します。グランドピアノのある家の間取り例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

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グランドピアノの設置に必要なスペース

グランドピアノを置く前提で間取りを考える場合、まず確認しておきたいのがグランドピアノ本体のサイズです。機種により多少の違いはありますが、一般的なサイズは以下の通りです。

横幅:150cm前後
奥行き:150~200cm前後
高さ:100cm前後

グランドピアノは大きいイメージがありますが、奥行きがある一方で、高さはドアノブより10cmほど高い程度。2畳あればグランドピアノ自体は置けます。

個室などクローズドな場所に設置する場合、人が通るスペースをつくらないのであれば、本体サイズに立ち座りと調律に必要なスペースを加えて計算します。グランドピアノのスペースをコンパクトにしたいなら、個室設置がよいでしょう

階段下や吹き抜け部分などのオープンな場所に設置するなら、立ち座りのスペースや調律を行うためのスペースに加えて周囲を通るスペースが必要です。グランドピアノはアップライトピアノとは違い、壁面に接する置き方は基本的にしません。何より、周囲に余裕があるほどその存在感が高まり、空間に映えますし音色も美しく響きます。最低でも4畳半、余裕があれば6畳前後のスペースが確保できると、グランドピアノのフォルム全体を堪能できるでしょう。

 

グランドピアノを設置するのに適した場所

グランドピアノは一度設置すると動かすことはほとんどないため、全体の床面積や家族のライフスタイルなどを考慮して慎重に設置場所を選ぶことが大切です。「グランドピアノのデザイン性をインテリアに生かしたい」「集中して練習しやすい」「来客時にみんなで音色を楽しみたい」など、日常生活におけるグランドピアノの接し方からアプローチすると、設置場所を考えやすいでしょう。

グランドピアノのある家に見られる代表的な設置場所をご紹介します。

 

リビング

グランドピアノが家族の日常生活に溶け込むことを重視するなら、リビングが最適です。家族が集まるリビングに設置すれば、くつろぎながら音楽を楽しむ時間が増え、自然とコミュニケーションも活発になるでしょう。来客時にピアノ演奏を披露したり、ピアノが弾ける友人とのセッションを楽しむこともできます。最近主流である広くオープンなLDKであれば、ホームパーティーの場でグランドピアノを弾いて盛り上がることも可能です。

 

子ども部屋

子どもがピアノを習っていて練習に集中したいという場合は、子ども部屋に設置するのもひとつの方法です。子ども部屋を広めに確保し、グランドピアノの専用スペースを設けることで、練習に対するモチベーションを高めやすくなります。家族の動きに影響されにくいため、子どもが自分のペースで練習しやすいでしょう。子どもの成長によって勉強を優先したい時期には、ピアノスペースとの間を仕切れるようにするなど、レイアウトを工夫してください。

 

趣味室

グランドピアノ専用の部屋にしたい、音楽だけを楽しめる空間をつくりたいという場合は、趣味室を計画しましょう。趣味室にグランドピアノを設置すれば、完全に音楽に集中できる空間を確保できます。他の空間と仕切った独立空間なので、防音対策がしやすく、近所への音漏れ対策がしやすいのも特徴です。楽譜を収納する棚を設置すると練習に集中できますし、グランドピアノが映える照明計画にして仕切り壁をガラスにすると、ショールームのようなラグジュアリーな雰囲気を楽しめますよ。

 

スキップフロア

1階と2階の間に設ける半2階のような高さのスキップフロアは、オープンとクローズがバランスよく共存する空間です。階段の途中にスキップフロアをつくってグランドピアノを設置するスペースにすれば、専用スペースでありながら1階にも2階にもつながっている開放感の中で弾くことができます。壁面に窓を設けると、外の景色を見ながらピアノ練習ができる贅沢な時間を過ごせそうです。

 

グランドピアノの防音対策

グランドピアノを家に設置する際に欠かせないのが防音対策です。特に隣家との距離が近い住宅地の場合、存分に練習してもクレームが出ないようしっかり防音対策をしておかなければいけません。家に設置したグランドピアノの有効な防音対策を解説します。

 

気密性の確保

音の伝わり方という視点で分けると、空気中を伝わる「空気伝搬音」と建材など固形物の中で伝わる「固定伝搬音」の2種類に分けられます。楽器の音は主に空気伝搬音であるため、空気が漏れるすき間があれば音も漏れてしまいます。

家の中で室内の音が漏れる箇所は、ドアや窓などの開口部、換気口です。ドアや窓と壁とのすき間をなくして気密性を高めると同時に、換気口に防音チャンバーを取り付けておくと、外部へのグランドピアノの音漏れをかなり防げます

防音ドアや二重窓などの採用、壁への断熱材の充填なども空気伝搬音を遮断する方法として有効です。グランドピアノの音が漏れにくいということは、前面道路の車の通過音や近所の家の生活音が室内に入りにくいということでもあるため、グランドピアノの演奏を満喫すると同時に騒音を感じない生活ができます。

 

固体伝搬音の抑制

続いて取り組みたい防音対策は、固体伝搬音の抑制です。グランドピアノはペダルを踏みながら演奏するため、ペダルが床と当たるたびに軽い振動が起き、音も発生します。振動やカタカタという音をできるだけ抑えるため、グランドピアノを置くスペースの床は防音対策を行いましょう。

もっとも簡単な方法は、コルクなどの防音マットや厚手のラグを本体の下に敷く方法です。踏むたびに起こる振動や音を吸収するため、室内に響きません。

また、グランドピアノの音は天井や壁にも反響して広がるため、新築時に防音建材を下地に入れておく、吸音効果のある仕上げ材を使用するなどの工夫が必要です。グランドピアノを独立した専用スペースに置く場合は、カーペットを敷き込んだり厚手のカーテンを採用したりするほか、部屋全体を防音室に仕上げるとより防音効果が高まるでしょう。

 

防音対策以外に気をつけるべきポイント

グランドピアノを快適に使えるよう設置するには、防音以外にも注意したい項目があります。特に重要なポイントをご紹介します。

 

荷重対策

グランドピアノは軽いタイプで250kg前後、重いタイプで400kg前後と非常に重いです。通常の床の下地組みではグランドピアノの重量を支え切れず、徐々に沈んでしまったり床鳴りが発生したりする可能性があります。こうした問題が起きないよう、間取りをプランする段階でグランドピアノの設置位置は固定し、グランドピアノを支えきれるだけの床補強を行う計画を立てておきましょう。

 

温度・湿度対策

グランドピアノをはじめ、ピアノという楽器は温度や湿度の変化に敏感です。金属でできている弦は湿気が高いと徐々に錆びてしまう可能性があるだけでなく、さまざまな部分が湿気によって劣化していきます。逆に乾燥しすぎると、フレンジと呼ばれる関節部分の木材が収縮して美しい音が出にくくなってしまうこともあります。

グランドピアノに適した室温は15~25度、湿度は50%前後です。ダンプチェイサー(ピアノ防湿機)を設置して調律を安定させる方法がありますが、住環境もあわせて整えましょう。空調設備を設置して室内の温度や湿度を均一に保つ、除湿機や加湿器を活用する、エアコンの風が直接本体に当たらないようにするといった工夫が必要です。

 

照明

練習しやすい環境を整えるには、照明計画も重要です。手元がしっかり見えるよう、部屋の全体照明とあわせて局所照明を設置すると演奏しやすくなります。グランドピアノ上部の天井にスポットライトを設置し、影ができないよう調整しましょう。スポットライトの強い光が苦手な場合は、天井面や壁面に間接照明を設けて、反射によるやわらかな明るさを確保するのもおすすめです。

 

日射対策

直射日光がグランドピアノに当たる配置は、ピアノ内部の温度を上げて内部機構を劣化させてしまうほか、外部塗装の色褪せを加速させるなどの悪影響が避けられません。日差しが入って明るい東向きや南向きの部屋がいいと思うかもしれませんが、日射対策の面から見ると、直射日光が入らず日中の室内の明るさが比較的安定している北向きの部屋が理想的です。

直射日光が入る部屋にグランドピアノを設置するなら、窓から距離を置いて設置しましょう。間取りや換気の問題で窓からの直射日光が当たることが避けられない場合は、遮光カーテンを取り付けたり、紫外線カット機能がある窓フィルムをガラス面に貼ったりして直射日光をできるだけやわらげる工夫が必要です。

 

搬入経路

グランドピアノは大型家具のため、搬入経路の確保が必要です。搬入時は脚を外して縦にしながら運べますが、成人男性3人もしくは4人で搬入する重量ですので、搬入経路は本体サイズに加えて搬入動作ができる横幅が必要です。玄関からの搬入が難しい場合は、部屋の掃き出し窓から搬入することも珍しくありません。2階の部屋に設置する場合は、階段からの搬入もしくはクレーンで吊り上げて搬入します。

玄関や部屋のドアや階段の幅、梁などがある場合は床から梁下までの高さなどを事前に把握し、グランドピアノの搬入ができるよう設計してください。

 

グランドピアノを置いた間取り実例

ここからは、グランドピアノを置く場合の間取り実例をご紹介します。グランドピアノを設置する場所や隣接する部屋とのつながり方など、家族で音楽を楽しめる家づくりの成功例がたくさんありますので、参考にしてください。

 

おすすめ間取り1:リビングと連続したステージに趣味のピアノ空間

参考実例:石橋優介建築設計事務所

広いリビングとオープンに繋がるステージにピアノを配置する実例です。1階に広々とした開放的なリビング空間をつくり、そこに隣接したステージリビングをオーナーの趣味のスペースにしています。連続的にリビングにつながる空間にピアノを配置すると、窮屈さを感じることなく、のびのびと演奏できるのがポイントですね。ステージリビングは空間をゾーニングする効果もあって、リビングと繋がりつつも趣味の空間を緩やかに区切ることができるメリットもあります。

監修者コメント
本計画は、音楽好きのクライアント様のために計画されました。
一般的に閉鎖的な音楽室を、どのようにライフスタイルに溶け込ます一つの答えとして、リビングにステージのようにピアノコーナーを併設して、誰でも簡単にピアノに向き合える空間を提案しました
親子がピアノを練習する、うまくなったピアノをステージから披露する、人が集まりピアノをリビングで聞くなどといったアクティビティが展開されることを期待しています。

 

おすすめ間取り2:リビングダイニングに防音対策を施して家族でピアノの音色を楽しむ

参考実例:グランドピアノを置いても余裕の大空間。吹き抜けからの光が満ち溢れるリビング - オネスティーハウス石田屋

ご家族で音楽を楽しみたい場合は、人が集まる場所にグランドピアノを設置する間取りにすると満足度が高いです。練習中の様子をキッチンから調理しながら見守ったり、リビングでホームパーティーをしながら来客とセッションを楽しんだりすることができます。開放的な空間なので、のびのびした気分で演奏できるのもいいですね。

 

おすすめ間取り3:坪庭を眺めながらグランドピアノを弾けるほどよい独立スペースが心地よい

参考実例: 大進建設

リビングダイニングの奥まった場所をグランドピアノの設置スペースにした事例です。周囲を人が歩かないため、グランドピアノに埃がつきにくく、練習にも集中できます。正面に配置された坪庭のグリーンに癒されるだけでなく、天井までの大きな窓を通して反対側のリビングの様子も見えるため、孤独感がありません。やわらかい自然光がしっかり室内に入るのも明るくていいですね。

 

おすすめ間取り4:間仕切り戸で隣接したリビングダイニングとの距離感を自由に調整

参考実例:田中工務店

リビングダイニングとグランドピアノ専用部屋とを隣接させていますが、間に間仕切り戸を設けているところがポイントです。演奏に没頭したい時、家族と一緒に楽しみたい時など、状況や気分に合わせて使い方を調整できます。専用部屋にある窓とグランドピアノとの距離は離れているため、直射日光対策も万全です。

 

おすすめ間取り5:家族で共有できるよう階段脇のファミリースペースにグランドピアノを設置

参考実例:四季の住まい

一人だけでなく家族の複数がピアノを演奏できるなら、みんなで共有できるスペースをピアノスペースとして使うのもおすすめです。ピアノを演奏している傍らで誰かが本を読んで過ごすといった楽しみ方ができます。廊下や階段を歩く家族の顔が見えるのも、つながりを感じてリラックスできるでしょう。

ファミリースペースを活用する他の間取り提案も

提案実例:リビングのダイニングの間のスペースにピアノを設置

 

おすすめ間取り6:半円形のヌックを活用したアーティスティックなピアノスペースがおしゃれ

参考実例:地中海プロヴァンス風の邸宅

ヌックとは、壁際の狭いスペースや部分的に突き出た半独立のスペースのことです。周囲よりも天井高が低く、こじんまりとしていながら居心地の良さを感じさせる空間などを指します。この事例の場合は、半円形に床面積を広げた部分をグランドピアノの専用スペースとしていて、7つの上げ下げ窓も含めて一枚の絵画のような仕上がりです。ドアをつけない代わりに床の仕上げ材で空間を視覚的に分けており、開放感と独立感のバランスが絶妙です。

 

おすすめ間取り7:吹き抜け部分に設置したグランドピアノの音色は家のどこにいても楽しめる

参考実例:有限会社フィールフォレスト

本体が大きいグランドピアノは、余裕がある空間であるほど映えます。天井高が高い吹き抜け部分に設置すると、圧迫感がないだけでなく、グランドピアノの美しい音色を家のどこにいても満喫できるのが大きなメリットです。1階だけでなく2階からもグランドピアノを見て楽しめるのがいいですね。

吹き抜けを生かした他の間取り提案も

提案実例:吹き抜け部分にグランドピアノを設置するアイデア

 

おすすめ間取り8:床基礎を活用できる玄関土間をピアノスペースに

参考実例:キクザワ

タイプによっては400kgにもなるグランドピアノを支えるには、耐荷重を計算した床下地を組まなければいけません。しかし、コンクリート床スラブである玄関土間なら補強は不要です。この事例のようにタイル張りにすると高級感がある空間となり、グランドピアノとの相性も抜群です。

 

グランドピアノを楽しめる素敵な間取り設計を

グランドピアノを設置する家の間取りを計画する際は、グランドピアノの設置スペースに加えて有効な防音対策や日射対策、搬入経路の確保ができるよう、開口部の配置を工夫することが大切です。内装材や照明器具の選定にもこだわり、グランドピアノを最適な状態で楽しめる環境づくりに生かしましょう。

グランドピアノの美しい響きを家族で堪能できる家づくり、ぜひ楽しんでくださいね。

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