どの世代でも、貯金に関する悩みは尽きないもの。特にボーナスがもらえないと、「貯金は難しそう…」と思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし実際は、ボーナスがないからといって貯金が難しくなるわけではありません。むしろ、毎月の収入が安定している分、計画的な貯金がしやすくなる側面も。
この記事では、ボーナスに頼らない貯金のコツを経験者が解説しています。来月から誰でも実践できる貯金法を紹介しているので、ぜひこれからの資産形成の参考にしてみてくださいね。
記事のポイント
- ボーナスで資金のやりくりをするとお金は貯まらない
- 実はボーナスが無い方が貯金がやりやすい
- 毎月移すお金の金額を決めてしまう
- 固定費を減らす方法
ボーナスがない人は結構多い
ボーナスをもらえない背景にはさまざまな理由があります。ボーナスがないという方は、以下のいずれかに当てはまっているのではないでしょうか?
理由1:非正規社員のため
非正規社員の方は、正規社員とは異なる給与や待遇を持つことが多いため、ボーナスが出ないことが一般的です。非正規社員としては、時給制や短期間の契約雇用など、さまざまな雇用形態があります。
理由2:年俸制のため
年俸制を採用している会社では、給与が年間を通して一定となる代わりに、季節のボーナスがないことがほとんどです。ボーナスのかわりに、成果報酬や業績連動報酬を採用している会社はあるでしょう。
理由3:経営状態が悪い、会社が小さい
経営状態が厳しい会社の場合、人件費削減としてボーナスが支給されないことがあります。もしくは、もともと従業員が少なかったり、売上規模が小さな会社ではボーナスなしの割合が高いです。
理由4:自営業やフリーランス
自営業者やフリーランスの方々は、会社に務めているわけではないので、当然ボーナスはありません。企業と契約して仕事をしている方でも、収入が仕事の量や契約内容に依存するため、伝統的なボーナスという形はないのが現実でしょう。とはいえ、フリーランスの方の中には臨時で大きな金額の成果報酬が出ることもあるので、それがボーナスと考えることもできますね。
ボーナスがもらえなくなることは意外と多い
みなさんの中には「以前は年に2回ボーナス出てたけど、今の会社はまったく出ない…」とお悩みの方もいるでしょう。
ですが、そもそもボーナスはどんなことに使われているのでしょうか?
ボーナス、みんなどう使ってる?
ボーナスの季節がやってくると、さまざまな使い道を考えるのが楽しみの一つですよね。では、一般的にボーナスはどのように使われているのでしょうか?
ボーナスの使い道1:大きな買い物
多くの人はボーナスを受け取った月や翌月に、何か大きな買い物を計画しています。
家電や車、高級なスマートフォン、ガジェットなど、ボーナスがなければ手が出しにくいものをこの時期に購入することが多いのではないでしょうか?
ボーナスの使い道2:ローン返済
もしくは、ボーナスをローンの返済に充てる人も少なくありません。
住宅ローンや車のローン、学資ローンなど、少しでも残高を減らして、将来の利息負担を下げたいですよね。ローンの契約時に、ボーナス支払いを入れていることも多く、その場合はボーナスが入った瞬間に口座から引き落とされてしまいます。
ボーナスの使い道3:贅沢や趣味
旅行や美味しいレストランでの食事、もしくは自分や家族の趣味に関連するアイテムの購入など、毎月の給与では不足しそうな事にボーナスを活用している方も多いのではないでしょうか。
ボーナスの使い道4:貯蓄
そして、最も多くの人は、ボーナスを貯金に回しています。
ボーナスをそのまま貯蓄するという人は、突然の出費に備えた生活予備費として、または老後の資金や子供の教育資金の積み立てとして、ボーナスをあてているようです。
ボーナスは使ってしまう人より貯金に回す人が多い
このようにボーナスの使い道は人それぞれ。
その中でも、ボーナスをそのまま貯蓄するという人が多いようですね。
そのため、「ボーナスが無いと貯金が作れない!」という方が多いことも納得です。ですが、この後説明するように、ボーナスが無くても貯金をすることはできますし、むしろボーナスが無い方がやりやすいです。
ボーナスがない方が貯金はしやすい
「ボーナスがないと貯蓄するのは難しくない?」と感じるかもしれませんが、実際はそんなことはありません。むしろ意外かもしれませんが、ボーナスがないということは、貯蓄計画をたてる上でメリットの方が大きいです。
毎月の安定収入の方が計画しやすい
まず一番のポイントは、ボーナスが無いということは、毎月の収入が1年を通じて一定です。
毎月の収入が一定だと、一定家計の管理や予算の計画が格段にしやすくなります。
ボーナスがある場合、賢い節約家の方だと、ボーナスを含めた1年間の総収入を予想して、それを12ヶ月で割って…というような計算をして毎月の収支を考えたりしますが、ちょっと面倒くさいですし、なによりも実際のお金の動き(毎月の収入額)と一致しないので、感覚的に分かりにくくなってしまいます。
その反面、ボーナスが無ければ、収入が変動しない分、家計簿をつける際もすごくシンプル。収入と支出のバランスが一目瞭然になり、実際のお金の動きとも合います。あとは、この後解説する貯金法を実践すれば、毎月自動でお金が溜まっていきます。
ボーナス頼りの出費を減らす
ボーナスがあると、ついそのボーナスを見越して何かを買ったり、サービスを利用しようとするもの。
ですが、ボーナスがないと、余分な買い物をしなくなり、「浪費癖」が自然となくなります。ボーナスがない環境にいることで、日常生活での無駄遣いを抑えることができるのも、ボーナスが無い方が貯金ができる理由の一つです。
貯金してからの購入が原則に!ローン頼りをなくす
そして、ボーナスがないと、大きな買い物やサービス利用の際に、事前にしっかりと貯金をする習慣が身につきます。
これにより、ローンやクレジットカードのリボ払いなどに頼ることなく、自分の貯金だけで購入することができるようになります。ローンなどを使わない分、結果的に無駄な利息を払わなくて済むようにもなるので、資産形成に役立ちます。
ボーナスなしで貯金を作る方法
ボーナスがないからといって、貯金をあきらめる必要はありません。むしろ、上記で見てきたように、一定の収入をもとにした計画的な貯金が、未来の資産形成へのカギです。
では具体的に、ボーナスなしの状況で貯金するにはどのようにすればいいでしょうか?方法は簡単で、以下の3ステップを実践するだけです。
ステップ1. 1年間の臨時費・特別費を予測する
まずは1年間でかかる臨時費・特別費を予想して、それを毎月の金額に置き換えましょう。
毎月の生活費や固定費はある程度予想がつきますが、その他の突然の出費や、年に1〜2回の大きな出費は忘れがちですよね。例えば、家電の買い替えや車検、旅行、冠婚葬祭、子供の受験・進学などです。これらを臨時費、特別費と呼びます。
臨時費・特別費はボーナスに頼っているという家庭も多いですが、ボーナスなしの家庭では毎月の収入から取り分けておきます。
具体的には、一年間でどれくらいの臨時費・特別費がかかるか予測して、その金額を12ヶ月で割ったものを毎月の収入から取り分けて貯金しておきます。これで、突然の出費に慌てることが減るでしょう。
具体例:家電の買い替え、賃貸の更新、お中元・お歳暮を想定して臨時費・特別費を計算します
家電の買い替え:毎年1回10万円の家電の買い替えを想定してみます。たとえば、冷蔵庫や洗濯機、エアコンの買い替えなどです。
10万円 ÷ 12ヶ月 = 毎月8,333円
賃貸の更新料:2年に1回の更新があり、家賃の2ヶ月分20万円の更新料がかかる物件に住んでいるとしましょう。
20万円 ÷ 2年 = 年間10万円
10万円 ÷ 12ヶ月 = 毎月8,333円
お中元・お歳暮の費用:年2回あるとして、1年間で合計3万円ほどの予算を確保したいと考えると
3万円 ÷ 12ヶ月 = 毎月2,500円
集計すると…
8,333円 + 8,333円 + 2,500円 = 19,166円
したがって、これらの臨時費・特別費を支払うためには、毎月約2万円を特別口座に移し替えるとよいと計算できます。そうすることで、ボーナスがなくても、こうした臨時の出費に問題なく対応できるでしょう。
このように、1年間で予想される臨時費や特別費を先に計算しておき、必要な金額を毎月積み立てておければ、突然の出費で大事な貯金を切り崩す心配が減りますね。
ステップ2. 貯金したい金額を毎月先取りする!
では、貯蓄を増やすための貯金はどうしたらいいでしょうか?
まず、収入のうち「使った残りを貯金」という考え方ではなく、収入から「まず貯金をして、残ったお金で生活する」という考え方をすることが大切です。
収入のうち、ステップ1で貯めたい臨時費・特別費の金額を取り分けたら、さらに毎月決めた金額を貯蓄専用口座に移します。ポイントは、毎月の生活費、ローン支払などが終わった後の余った金額を貯蓄するのではなく、毎月収入が入ってきたタイミングで貯金分を先取りすることです。
こうすることで、無意識のうちに貯蓄が積み上がっていきますよ。
ステップ3. 残ったお金でやりくりする
貯蓄を先に取り分けた後の残りのお金で、その月の生活をやりくりします。
最初、慣れないうちは少し厳しいかもしれませんが、この方法を続けるうちに、生活の中の無駄遣いを自然と見直すようになるので、ボーナスに頼っていたときよりも効率的にお金を使えるようになるでしょう。
ボーナスなしでも貯金できるようになった秘訣
それでも、貯金分や特別費を先取りしたら、「生活費が足りない!」と思うこともありますよね。
そんな方は、毎月の固定費がかかりすぎかもしれません。
固定費は、家賃や保険料などの大きな出費の他にも、光熱費や通信費、サブスクの契約などが含まれます。固定費は毎月の支出で大きな金額を占めますが、見直すことで意外と削減できることが多いです。
固定費の見直しをしよう
まず、電気や水道、ガスなどの光熱費を節約する方法を探りましょう。節電、水の無駄遣いを減らす、ガス使用時間を短縮するなど、ちょっとした工夫で結構節約できます。
また、定期的に携帯電話やインターネットの料金プランを見直すのもオススメです。
不必要なサービスを見極める
毎月の定額制のサービスや雑誌の購読など、本当に必要かどうか考えてみましょう。
使っていないサービスや不要な定期購入を止めることで、意外と大きな節約が可能です。
サブスクには例えば、以下のようなサービスがあります。
- 音楽ストリーミング:Spotify, Apple Music など。
- 映像ストリーミング:Netflix, Amazon Prime Video など。複数登録している場合、1つや2つに絞ることも考慮。
- 雑誌・新聞:特定の記事だけを読む場合、サブスクは不要
- アプリの有料プラン:特に頻繁に使わないアプリの月額プランなど
- フィットネス・ジム:自宅でのトレーニングできれば不要
- 教室・オンライン学習:英会話塾、料理教室、Udemyなど。実際に受講しない月や期間がある場合、一時的に休止や解約を考えることも
- コスメ・洋服の定期便:毎月新しいコスメや洋服が届くサービス。過剰になっていたら頻度を減らすことも
- ゲームの有料プラン:Nintendo Switch Online, PlayStation Plus など
- レンタルスペース:実は不要なものを処分できるかも。
- ウォーターサーバー:ミネラルウォーターを定期購入して節約する方法も。
これらのうち、使っていないものを解約したり、安い他の手段に変更できないか考えてみましょう。
買い物の習慣を見直す
こちらは固定費というより、変動費の節約についてです。
食費や日用品の購入に無駄がないかチェックしましょう。例えば、よく使う商品なら大容量のモデルを選ぶ、クーポンを利用する、セールを狙うなどの工夫で、節約しながら賢く買い物をすることができます。
ボーナスがなくても、資産形成は問題なし
ボーナスがない状況でも、きちんとした貯蓄計画を立てることでしっかりと貯金を増やしていけます。最も大切なのは、自分の生活スタイルや収入、固定費を見直してみて、それに合わせて毎月一定額の貯金を作っていくこと。毎月の収入に合わせて、無理せず、でも確実にお金を貯めていくことが大切です。ボーナスなしの生活は、ボーナスがある会社員と比べても資産形成の計画がしやすいメリットがあります。賢く工夫しながら、将来に向けて貯蓄ライフを楽しみましょう!